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メラマウ通信

メラマウフィッシングクラブ ~あきらめたらそこで試合終了 NO2~


最終日。 今日まで大物には巡り合わず、天気予報も下り坂で、遠出の深場はかなり厳しいかと思いながら迎えた最終日。
昨夜も飲みすぎているし、連日の太陽で肌はボロボロに・・・。 しかも名誉顧問は今日の午後には西表を出なければならない為、もう釣りに行くのも止めようかと弱気なことを言う会長と名誉顧問でしたが、このままでは船長としての私の気持ちもおさまりません。 半強制的に近場短めで行くことを説得し最終日の戦いに出ます。

 

海に出てみると、下り坂のはずの空は晴れで、しかも風も全くありません。 なんという皮肉・・・。この海況が昨日までならば、夢のオガンまで行けそうだったのにと悔やまれますが、海に出たからにはと、4日目の体力消耗に負けそうになりながらもジグを投げます。

 

2時間後。 40cm程のハタはまあまあ釣れるのですが、もはやこのサイズでは物足りません。のぼってきた太陽は日焼けの肌を一層ジリジリ攻撃し、体力も消耗させます。

「もういよいよ終わりにしよう」と名誉顧問が言った言葉は、船上の誰もが言いたかった言葉・・・。
悔しい、とにかく悔しい・・・。このべた凪が余計に悔しいのですが、石垣行きの船の時間も迫り、帰りの荷造りもしなければなりませんし、仕方ありません。

そして、本当に最後の最後に、「少し深めでさっと釣って本当に終わろう」という会長の言葉よりも、「もういいよ・・・」という名誉顧問の言葉に賛同しそうになった私でしたが、名誉顧問を説得し、今回一度も向かわなかった方向に少しだけ船を走らせ、水深80メートル位の場所へ移動しました。
しかし魚探にうつる地形は魚がいる地形ではありません。もちろん魚探も無反応・・・。

 

疲れきってる名誉顧問は一投のみでもう終わろうとしました。しかし私もそんな名誉顧問を励ますことができません。魚探を見る私の目ももう集中力を失っています。 会長は気合のジグを見せていますが、その竿にヒットはありません。

 

名誉顧問はもう片づけを初め、私も半分寝そうになりながら魚探を見ていると、フッと魚探に反応が現れました。 しかしこの反応にも元気になることができずに、「一応反応ありますね~」と会長に伝えたその瞬間!!!

会長にヒットです!しかも今までに見たことのない竿のしなりで、会長も「デカイ!!」と叫びます。疲れ果てていた船上に一気に緊張と興奮が走ります。

一体何が!?今までのひきとは全然違います! しなりまくる竿で、会長はバランスを失い、海に引きずりこまれそうになりました!名誉顧問はギャフを、私は船のステアリングとデジカメ動画をまわします。 魚は海を走りまくり、しぶとく船の下に入り込みます。
船でラインが切れないようにうまく船を操らなければならないのですが、間違えてステアリングをきってしまった私に、普段は温厚の会長も「健二逆だ!!」と叫びます!

どの位の時間を要したでしょうか?いよいよ魚の姿が見えてきました。

 

なんとGTです!そう、ロウニンアジ。しかもデカイ!!少し間違えればラインを切られてしまうし、ギャフを掛け間違えれば暴れて逃げられてしまう!とにかくこんな大物船に上がるだろうか!?
3人とも興奮の中、いよいよその瞬間を迎えました。 あげた魚は写真の通り!会長の体が隠れてしまうほどの大物で、その重さなんと30kg程あるのではないかという大物です!

ガッツリ抱えた会長の腕はプルプル震えていますが、その顔は今までに見たことのない達成感で満ち溢れています!

これぞスポーツフィッシング!これぞ西表島!!これぞメラマウフィッシングクラブ!!! 最後に逆転ヒットで勝利したと思いきや、ドラマはまだ終わっていなかったのです!
99%諦めていた名誉会長にもヒットがきたのです!! しかもこれまたデカイ!!

同じポイントだったので同じGTだろうと確信していました。 「そんなに重くないかな!?」とはいうものの、CB-ONEはしなります!慎重にラインが切れないように、魚の動きに合わせながらリールを巻きます。 そしてようやく水面近く姿を現したのはなんと、GTではなく、初日に海に落とした会長の携帯電話!ではなく、名誉会長が今回切望していた「カンパチ」ではありませんか!!
しかもこのカンパチも15kgは下らないのではないかというGOODサイズ!! GTよりサイズは小さいものの、海の中での暴れっぷりはこちらの方が上だったのではないでしょうか?

釣り上げ、カンパチを抱えた名誉会長の腕もプルプルです。二人とも腕の筋トレが足りませんが、その腕にはもはや日焼けの痛みはなかったことでしょう。

こうして最後の最後の逆転満塁ホームランという、劇的な、あまりにも劇的な形で幕を下ろした今年の「メラマウフィッシングクラブ」。  もしあの時、疲れと弱音で帰港していたらこの感動はありませんでした。

私は一応バスケットマンです。「あきめたらそこで試合終了」 学生時代に大切にしていたけど、最近すっかり忘れていたこの言葉。 この言葉は本当で、ほんの1%でも望みがあるなら、諦めずにその望みを捨てないことの大切さを、頭と体全体で再認識しました。
今回のドラマは、私が探し当てた魚たちではなく偶然でもあったことですが、心の底からの感動と、ゾッとしてしまうような劇的感と、帰港時の二人のこの顔を見て、私は改めて西表島に住み、この仕事をしていることに生きがいを感じずにはいられませんでした。

会長に名誉会長、感動をありがとうございました! 我々流に、また来年も3人の力を合わせて西表島のフィッシングを開拓しましょう!!メラマウフィッシングクラブ、万歳!!!

さて大成功で終わったはずの今回でしたが、一つだけとっても悔やまれることがあります。それは、二人のあの戦いぶりを私のビデオにおさめるのを忘れてしまったことです。二人の思い出にって?それもそうですが、あの映像ならば二人はきっといくら出してでも買い取ってくれたはず・・・・・?な~んちゃって!!
そしてその後私が会長のことを「安西先生」と呼ぶようになったことは言うまでもありませんね。

長々とお読みいただきましてありがとうございました。 気が付くと今日はもう12月31日の大晦日。
2009年も今日で終わりですね。
メラマウリゾートにお越しいただきました皆様、このメラ通をご愛読いただきました皆様、今年も本当にありがとうございました。 皆様どうぞ良いお年をお迎えください。
来る2010年も皆様にとりまして素敵な一年となりますように!!
メラマウリゾート 國井健二

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